順天堂東京江東高齢者医療センターにおける精神科病棟入院患者の現状-開院当初と比較して

  • 熊谷 亮
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 榛沢 亮
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院精神科
  • 内海 雄思
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 小松 弘幸
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 野澤 宗央
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 山本 涼子
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 松原 洋一郎
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 杉山 秀樹
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 村山 憲男
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 井関 栄三
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック
  • 一宮 洋介
    順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターメンタルクリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical study of psychiatric inpatients in Juntendo Tokyo Koto Geriatric Medical Center
  • ジュンテンドウ トウキョウ コウトウ コウレイシャ イリョウ センター ニ オケル セイシンカ ビョウトウ ニュウイン カンジャ ノ ゲンジョウ カイイン トウショ ト ヒカクシテ

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説明

目的: 2007年に順天堂東京江東高齢者医療センターの精神科病棟に入院となった患者の精神疾患および入院理由を調査し, 開院当初と比較することで高齢者専門病院精神科病棟の役割の変化を検討する. 対象と方法: 2007年4月から2008年3月に当院精神科病棟に入院となった患者394名を対象とし, 各患者について性別・年齢・精神科的診断・入院理由について調査した. 結果: 性別は男性: 女性=178:216であり, 年齢は44-100歳 (平均年齢;78.8歳) であった. 精神科的診断はアルツハイマー型認知症が51%, レビー小体型認知症8%, 血管性認知症7%, 前頭側頭型認知症が4%, 混合型認知症が3%, 軽度認知障害が1%を占めており, 全体の74%が認知症疾患であった. 認知症疾患以外では, 気分障害が8%, 統合失調症が3%, せん妄が3%, アルコール依存症が2%を占めていた. 入院理由は身体合併症治療が46%, Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia (BPSD) 治療目的が25%, その他の精神症状治療目的が15%, 家族の介護疲労緩和目的が7%, 検査・診断目的が2%であった. また入院加療を要した身体疾患は肺炎が21%, 大腿骨骨折が11%, 脱水・低栄養状態が9%, 脳卒中が8%, 悪性腫瘍が6%となっていた. 結論: 開院当初と比較すると精神疾患の種類が多彩となっており, 新しい検査や疾患概念の導入, 高齢化に伴う疾患の難治化, 患者の居住環境の変化が影響していると思われた. また入院理由に関しては, 身体合併症治療目的の患者が増加していた. その背景には, 身体疾患に対応できる精神科病棟を有する総合病院の不足が慢性的に存在していることが覗われた. 身体科や地域医療との連携だけでなく, 広い範囲での医療体制の充実が必要と思われる.

収録刊行物

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (20)*注記

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