N-Ethyl-N′-nitro-N-nitrosoguanidine (ENNG) による犬実験胃癌の臨床病理学的研究

  • 泉 嗣彦
    順天堂大学医学部 (内科学教室・消化器)

書誌事項

タイトル別名
  • Clinicopathological Studies on Gastric Carcinoma in Dogs Induced by N-Ethyl-N′-nitro-N-nitrosoguanidine (ENNG).
  • N Ethyl N nitro N nitrosoguanidine ENNG

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抄録

N-Ethyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (ENNG) 水溶液を固型飼料に混じて犬に経口投与し, 発生した実験胃癌について, 臨床病理学的に検討した. 有効頭数7頭 (雑犬4頭, ビーグル犬3頭) の全例に胃癌 (2頭: 早期癌, 5頭: 早期癌および進行癌) が発生した. 4頭にリンパ節転移, 2頭に肝転移を認め, うち1頭には肺, 心, 骨, 皮下組織転移, および癌性腹膜炎の発生もみた. 胃癌の好発部位は, 胃上部前壁と大彎, および胃下部であった. 肉眼型では隆起型が多く, 組織型では管状腺癌が多かった. 胃上部では隆起型がほとんどで, 分化型の腺癌が多く, 胃下部では隆起型, 陥凹型, 平坦型さまざまで, 分化型と低分化型の腺癌が同数であった. 進行癌はすべて大きさが20mm以上であった. 雑犬では分化型の腺癌が多く発生し, ビーグル犬では低分化型の腺癌が多かった. 雑犬の1頭にポリープの癌化を示唆する病変を認めた.

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参考文献 (5)*注記

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