N-methyl-N′-nitro-N-nitrosoguanidine投与による各種小動物の発生腫瘍差について

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Oncogenetic Effect of N-Methyl-n′-nitro-N-nitrosoguanidine in Experimental Animals.
  • N-methyl-N′-nitro-N-nitrosoguanidine投与による各種小動物の発生腫瘍差について--特にPraomys(Mastomys)Natalensisの悪性リンパ腫について
  • N methyl N nitro N nitrosoguanidine トウヨ
  • Especially Producing Malignant Lymphoma in Praomys (Mastomys) natalensis
  • --特にPraomys (Mastomys) Natalensisの悪性リンパ腫について--

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抄録

杉村らによる実験胃癌作製におけるN-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (MNNG) の応用は, ラットあるいは犬にかなり確実に胃癌を発生せしめることを可能にした. しかし本実験に際して胃癌以外にも種々の腫瘍が発生することが知られるようになり, 発癌剤の種類, 量, 溶媒の有無, 投与経路, 実験動物の種類などの選択に検討を加える必要が生じてきた. 著者は, MNNGの量, 溶媒, 投与経路を一定にして, 小動物の種類のみをかえることによって発生する腫瘍に差異が生ずるか否かを検討した. 即ち実験動物として生後6週令の雄のラット, ハムスター, マウスおよびPraomys (Mastomys) NatalensisにMNNGを経口投与した. その結果ラットでは腺胃の癌が, ハムスターでは腺胃の非上皮性腫瘍が高率に発生し, マウスでは腫瘍発生は1例もみられなかった. そしてMastomysでは胃癌の発生はみられずに, 47%に腸間膜原発の悪性リンパ腫の発生をみた. 本腫瘍は他動物ではその発生の報告が知られていない稀有の腫瘍である. これら実験結果は動物の種類によりMNNGに対する発癌のメカニズムが大幅に変化することを示唆し, 発癌実験上発癌剤の種類, 投与方法とともに実験動物の選び方が実験の結果を左右するものと考えられる.

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参考文献 (2)*注記

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