アミノ酸ダブルバッグ製剤の未開通防止装置の有用性に関する研究

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タイトル別名
  • Usefulness of separator seals in double-bag amino acid containers
  • アミノサン ダブルバッグ セイザイ ノ ミカイツウ ボウシ ソウチ ノ ユウヨウセイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

目的: アミノ酸ダブルバッグ製剤は, メイラード反応を防ぐため糖質とアミノ酸が二槽に分割され簡便に使用できる優れた製品であるが, 二槽間の隔壁忘れのエラーがなくならない. 今回, バッグに装着されている隔壁未開通防止装置が有効に機能するのか, 外付け型装置と内蔵型装置の比較を行い, 煩雑な業務のなかでヒューマンエラー防止に有効であるか検証する. 対象・方法: アミノ酸ダブルバッグ3製剤 (アミグランド (テルモ株式会社・田辺三菱製薬株式会社), ビーフリード (株式会社大塚製薬工場), パレセーフ (味の素株式会社) ) を用い, 一製剤につきダブルバッグを使用したことのない看護師10名が隔壁開通操作を行った. 一被験者に一観察者がつき, 時間測定, 操作手順の調査を行った. また, 被験者が目視確認した表記文字を調査した. さらに, 6ヵ月間, ダブルバッグ製剤を使用した看護師132名にアンケート調査を行った. 結果: 隔壁未開通投与防止装置は, 外付け型 (ビーフリード, パレセーフ) より内蔵型 (アミグランド) のほうが, ヒューマンエラー防止機能が高かった. 隔壁開通と関連なく防止装置を手で外した被験者はビーフリード7名, パレセーフ1名であった. バッグの表記文字の目視確認はビーフリード41項目 (68.3%) アミグランド36項目 (51.4%), パレセーフ26項目 (37.2%) であった. 目視項目間の相関は「要開通」 (p=0.0047), 「混合手順」 (p=0.0165) に有意な差が確認された. アンケート調査では, 隔壁未開通投与防止装置により未開通投与が減ったと思うがアミグランド68.2%, パレセーフ58.1%, ビーフリード51.0%であった. 3製剤に有意な差はなかったがアミグランドの評価は高かった. 結論: 3製剤のダブルバッグのなかで最も安全性が高いのは, 故意に隔壁未開通防止装置を外すことができず, バッグの表記文字から隔壁開通にスムーズに誘導されるアミグランドである.

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参考文献 (11)*注記

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