Linitis plastica 型胃癌のX線学的研究

  • 細井 董三
    順天堂大学医学部内科学教室・消化器内科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Radiological Studies for the Early Diagnosis of 'Linitis plastica' Gastric Cancer
  • -とくに早期診断を目的として-

抄録

Linitis plastica型胃癌の早期診断を目的とし, 病理組織学的ならびにX線学的検討より次のような結論をえた. 1. 手術標本を病理組織学的に検索したLinitis plastica型胃癌40例の分析から, 胃底腺領域に発生するものの原発巣は, ひだ集中像を伴わないIIc+III様の未分化癌で, 大きさは, 25mm以下, 陥凹はU1-II以上であり, 腺境界領域に発生するものの原発巣は, 集中像を伴わないIIc様の未分化癌ではあるが大きさは50mm以上, 陥凹はU1-Iが多い. したがって, この原発巣の特徴をより小さな病変のうちに探し出すことが早期診断につながるものと推定された. 2. 過去のX線像のretrospectiveな検討より, 完成されたLinitis plastica型胃癌が完成される2年から3年前に, 約70%の原発巣が指摘可能であった. 以上のことから, X線学的に早期診断の可能性が十分にあり, その時期のものは深達度がpmからssと推定された. 以上の検討からLinitis plastica型胃癌の, 発育過程におけるpm癌のX線学的所見を確立し, より早期の診断への手掛かりとすることができた.

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参考文献 (1)*注記

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