海外旅行帰りの食中毒・感染性腸炎をみたら
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- TAKESHITA NOZOMI
- 国立国際医療センター国際疾病センター・渡航者健康管理室
Abstract
海外旅行が一般化するに伴い, 旅行後の健康問題の訴えも増加しています. 中でも旅行者下痢症は多い疾患です. 下痢症の原因は多岐に渡りますが, コレラや腸チフスは予防接種で防ぐことができます. しかし, そのような予防接種を施行する人は現状では少数です. 旅行者下痢症の原因として多い病原体は腸管毒素原性大腸菌ですが, 日本人の旅行先として多い東南アジアではカンピロバクターも少なくありません. 診察の際には, 脱水症状の有無と発熱や激しい腹痛などの随伴症状に注意し, 必要に応じて抗菌薬を選択します. 抗菌薬投与する際には, 必ず培養検査を行い, 原因を特定して選択的な治療へと切り替えます. また, 発熱がある場合, 渡航先によってはマラリアなどの全身性疾患も鑑別とし, 検査する必要もあります. 下痢症によっては, 7日間以上続く際には, 慢性下痢症として, 寄生虫疾患や偽膜性腸炎等も考慮します.
Journal
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- Juntendo Medical Journal
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Juntendo Medical Journal 55 (2), 97-101, 2009
The Juntendo Medical Society
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680724597888
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- NII Article ID
- 130004712085
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- ISSN
- 21882134
- 00226769
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed