暖地型牧草類種子の発芽ならびに出芽に及ぼす土壌水分の影響

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  • Effect of Soil Water Suction on the Germination and Emergence of Warm Season Grasses
  • ダンチガタ ボクソウルイ シュシ ノ ハツガ ナラビニ シュツガ ニ オヨボス

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抄録

1.物理性の悪い鉱質土壌畑における適草種選定ならびにかんがいなどによる発芽時の土壌水分条件制御のための基礎的研究として,吸水力を異にする代表的な12種の暖地型牧草類を供試し,土壌水分吸引圧と種子の発芽出芽との関係を,30℃定温条件下で調査した。2.発芽・出芽率は,各草種とも,土壌水分吸引圧の低い段階ではほぼ一定の値を保ち,吸引圧がある限界以上になると急減した。しかし,このような傾向は草種によって相違し,吸水力の強いソルガム類,栽培ビエ,シコクビエは吸水力の弱いその他の草種よりも,明らかにより高い土壌水分吸引圧でよく出芽し,種子の小さい草種の中ではパニカム類,ローズグラスが土壌水分の減少に対して最も敏感に反応した。3.このような草種間差異は,浸透吸引圧と発芽率との関係から得られたそれと比較すると,草種によって多少の相違が認められたが,傾向としてはほぼ一致した。4.出芽速度は,ある土壌水分吸引圧までは漸減し,それより吸引圧が高くなると急減する傾向が認められたが,出芽率にみられたような一定の草種間差は認められなかった。また,出芽率の低下がほとんどみられなかった範囲においても,吸引圧が増すにつれて,出芽速度はほぼ直線的に低下する草種が多かった。

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