牧草中の可溶性炭水化物含量測定におけるアンスロン法の改変

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タイトル別名
  • Modification of Anthrone Method to Measure Water Soluble Carbohydrates Content in Grass and Mixed Sward
  • ボクソウ チュウ ノ カヨウセイ タンスイカブツ ガンリョウ ソクテイ ニ オケル アンスロンホウ ノ カイヘン

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抄録

可溶性炭水化物(WSC)を測定するアンスロン法の試料の乾燥と脱脂処理の必要性,煮沸抽出時の多糖の溶出,測定時の発色加温時間の検証を行い,改変方法とHPLC法との比較を行った。試料の乾燥と脱脂処理の有無によるWSC含量に有意差は見られず,牧草試料では必要ないと考えられた。10分間の煮沸抽出ではデンプン溶出率は低く抑えられた。その他の多糖は10分間を超えても溶出率はそれぞれ一定であった。発色加温時間の影響は大きく,加温開始後はグルコースよりフルクトースの吸光度が大きくWSC含量を過大評価した。両吸光度が等しくなるのは25-30分後であり,これまでの報告とは異なった。以下の改変方法のWSC含量はHPLC法よりも高く,この相違は多糖の溶出が関係していると考えられた。以上から,牧草試料では次の様に改変した。試料の乾燥と脱脂処理は行わないで,試験管に試料0.2gと純水30mlを加え,沸騰水浴中で10分間抽出を行い,測定時の発色加温時間は25分間とする。その他の条件はこれまでと同様に行う。

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