internet-intranet統合webを利用した研修医教育支援システムの提案

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  • A Resident Education Support System using the Integrated Hospital Information Web

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抄録

院内情報ウェブ(イントラネット)用のサーバを別に組み,電子カルテシステムのLANと統合して,同一端末において利用できるようにインフラ構成を行った.当院では,さらにこのLANをWANにも接続しインターネット環境にシームレスに入れるように構築している.イントラネットの環境において,(1)毎日のように実施されるカンファレンス,および随時行われる講演会,教育セッションを一元的に閲覧できるウェブ予定表の構築;(2)研修上の必要時のメモ書,経験手技や経験疾患などの記録ができるレジデント・ウェブ手帳の構築;(3)このウェブ手帳とリンクして必要画像や文献などを保存閲覧できるレジデント用ディレクトリのイントラネットサーバ内での確保;(4)各科の診療マニュアル,勉強会プレゼンテーション,参考文献や図表等のarchivesを収載するrepositoiry siteの構築;ならびに(5)レジデントが研修科を評価する,いわゆる逆評価記載をウェブ上から実施できるプログラムの作成を実践した.レジデントは常時,院内いたるところにある端末を利用してカンファランス予定を確認することができ,インターネットやイントラネット内情報フォルダ(repository)から文献や図表をとりだして学習し,必要に応じて各自のディレクトリ内に記録したりウェブ手帳内に保存することが可能で,これらをいつでもどの端末からでも閲覧できる.また紙のメモ帳によらず,研修実績や覚書きをウェブ手帳内に記録でき,ソート(sort)および検索機能によって容易に内容確認ができる.このような教育ツールを統合ウェブ環境で提供することにより,研修病院としてのグレード確保ならびに向上に資し得ると同時に,レジデント用ディレクトリのサーバ内確保と引き替えに,原則として各クライエント端末の固定記憶装置内へのファイル保存の禁止ならびに可搬記憶媒体接続の禁止(CD-Rは認めないがCD-ROMは許可)の方針を打ち出すことによって,個人情報管理およびセキュリティ保全の方策を提供し得ると考えられた.

収録刊行物

  • 医療情報学

    医療情報学 26 (3), 201-207, 2006

    一般社団法人 日本医療情報学会

参考文献 (4)*注記

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