チガヤ(Imperata cylindrica (L.) BEAUV.)における開花時期の異なるタイプ間の種子発芽特性の違い

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タイトル別名
  • Differences of Seed Germination Characters between Two Types of Imperata cylindrica (L.) BEAUV. Characterized by Flowering Phenology
  • チガヤ Imperata cylindrica L BEAUV ニ オケル カイカ ジキ ノ コトナル タイプ カン ノ シュシ ハツガ トクセイ ノ チガイ

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抄録

日本におけるチガヤ2タイプについては,濃尾平野での存在が報告されており,開花時期の早いものはE型,遅いものはC型とされている。著者らは,宮崎平野において多数のE型,C型と,思われる集団を発見した。チガヤ2タイプの存在は,濃尾平野以外で,これが初めての発見である。著者らは,これらE型,C型の生物学的性質を比較するため,今回,家系を考慮したチガヤ2タイプの種子発芽特性の違いを比較した。恒温・暗条件下では,E型家系の種子発芽率がC型家系に比べて高かった。光か変温,もしくはその両方で,C型の休眠は解除された。家系を考慮した枝分かれ分散分析の結果,タイプと変温の交互作用は有意であり,このことから,C型は休眠を持ち,E型はあまり持たないことがわかった。培養温度と発芽速度の回帰は,両タイプとも直線性を持っていたが,切片と傾きには,両タイプ間で明らかな差があった。E型の回帰係数は,C型に比べて大きかった。発芽0点は,C型で12.9℃から13.7℃,E型で14.4℃から15.9℃であった。これらの結果から,チガヤ2タイプは,種子発芽特性において,大きく異なることがわかった。こうした違いは,野外におけるチガヤ2タイプの繁殖戦略の違いに大きく関与していると考えられる。

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