牛尿流入土壌に生育するリードカナリーグラス(Phalaris arundinacea L.)の耐塩性と草体中のカチオンおよび遊離アミノ酸含量との関係

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between salt tolerance, and contents of cation and free amino acid in reed canarygrass (Phalaris arundinacea L.) grown on soil perfused with cattle urine
  • ウシ ニョウ リュウニュウ ドジョウ ニ セイイクスル リードカナリーグラス

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説明

牛尿流入土壌におけるリードカナリーグラス(RCG)の残存と牧草の耐塩性との関連を明らかにするため,牛尿流入土壌(試験区)および無流入土壌(対照区)に生育するRCGを供試し,生育する土壌の違いによって生じた耐塩性の差を草体中のカチオン含量および遊離アミノ酸含量の変化から検討した。それぞれの区から採取した幼植物を10日間基本培養液にて水耕栽培後,NaClを培養液中の濃度が0,100および200mMとなるように添加した。添加後10日目に植物体を採取し,重量,カチオンおよび遊離アミノ酸含量を測定した。1. NaCl無添加時における地上部の乾物増加量(生育量)を各区,それぞれ100と設定した場合,200mMのNaCl添加時において対照区に生育したRCGの相対生育量は68と著しく低下した。しかし,試験区に生育したRCGでは82と対照区にくらべて高い値を示し,牛尿流入土壌に生育したRCGの耐塩性は強いことが示唆された。2. NaCl添加濃度が高まるにつれて草体中のNa含量は増加し,逆にK,MgおよびCa含量は低下した。地上部のこれらカチオン含量は対照区よりも試験区のRCGで高く,特にK含量は地上部および根部ともにこの傾向が明確であった。Na,K,MgおよびCa含量の地上部/根部値は対照区よりも試験区のRCGで高く,NaCl添加濃度が高まるにつれて増加した。3. NaCl添加濃度が高まるにつれて地上部の遊離アミノ酸総量は増加し,その値は試験区のRCGで高く,増加率は対照区で高かった。NaCl添加により特に増加したアミノ酸は両区ともにProで,200mMのNaCl添加時において遊離アミノ酸総量にしめる割合は,対照区および試験区のRCGでそれぞれ15.5%および21.4%であった。根部ではNaCl添加による遊離アミノ酸の推移は対照区と試験区のRCG間で異なったが,明らかな傾向はみられなかった。

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参考文献 (18)*注記

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