ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)における低温に応答した葉緑体とミトコンドリアの構造変化

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  • Changes in the Structural Properties of Chloroplasts and Mitochondria in Response to Low Temperature in Perennial Ryegrass (Lolium perenne L.)

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ペレニアルライグラスにおける低温に応答した葉緑体ならびにミトコンドリアの構造変化を透過型電子顕微鏡によって解析した。4℃で24時間の低温処理を行った植物体において,葉肉細胞に存在する葉緑体,および,葉肉細胞と維管束鞘細胞に存在するミトコンドリアの大きさの増加が見出された。それ以上長い期間の低温処理では,これらのオルガネラの大きさの変化はより小さなものであった。葉肉細胞における葉緑体の肥大は,それに比例した液胞の大きさの縮小を伴うものであった。葉緑体のラメラ構造は,1ヶ月間の低温処理の後においても保たれていた。また,低温処理によって葉緑体およびミトコンドリアのDNAの分解は顕著には起きていないことがサザンブロット解析によって明らかになった。観察された変化は,木本性植物の細胞において夏から冬にかけての季節の移り変わりの過程で起きる変化に似ており,このような変化が,広範な植物において低温馴化の過程で共通に生じていることが示唆された。植物における低温耐性の獲得の観点から,観察された変化を生み出す機構を議論した。

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