飼料用稲の粗飼料生産と栄養価 : II.青刈稲の収量,サイレージ品質ならびに飼料価値における施肥効果と品種間差異

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Herbage Production and Nutritive Value of Soiling Paddy Rice : II. Effects of the variety and fertilizer application on the herbage yield, silage quality and the feeding value of whole crop silage
  • 飼料用稲の粗飼料生産と栄養価-2-青刈稲の収量,サイレージ品質ならびに飼料価値における施肥効果と品種間差異
  • シリョウヨウ イネ ノ ソシリョウ セイサン ト エイヨウカ 2 アオガリ イ

この論文をさがす

抄録

本研究はサイレージ用品種選定の基礎資料を得るために,施肥水準をかえて水稲6品種を栽培し,生育収量,調製したサイレージの品質および栄養価について品種間差異を検討したものである。供試品種は印度稲からAmbar,Gaiya Dhan Tosar,British Honduras,〓稲(中国稲)から白穀粘,日本稲から金南風,松山三井を選定した。各品種は水田に移植栽培し,乳熟期に刈取りサイレージに調製した。消化率の測定はめん羊を用い,全ふん採取法で実施した。(1)外国稲は日本稲に比べ,早熟,長稈の生育特性を示した。白穀粘,AmbarおよびGaiya Dhan Tosarは耐倒伏性が著しく欠けた。生草収量は白穀粘および印度稲が日本稲よりも多収であったが,乾物収量は日本稲と白穀粘が高く,多肥区の松山三井が最も高い収量を示した。(2)サイレージ材料草のNFEとWSCの含量は日本稲が外国稲より高く,粗灰分と珪酸は外国稲が高かった。(3)サイレージの品質は日本稲と白穀粘が印度稲より高かった。(4)サイレージの消化率については,粗蛋白質と粗繊維は多肥区が標肥区より優れ,NFEは施肥量にかかわりなくGaiya Dhan Tosarが低かった。(5)DCP含量は多肥区が標肥区より高かった。TDN含量は標肥区49.5〜58.2%,多肥区は54.4〜58.9%の範囲にあった。(6)サイレージのTDN収量は標肥区43.2〜61.3kg/a,多肥区51.1〜75.2kg/aで,日本稲が外国稲より多収であった。(7)これらの結果,TDN収量が高く,かつ,倒伏に強い日本稲品種,とりわけ松山三井がホールクロップサイレージ用水稲として有望と考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ