瀬戸内地方の草地における季節的平衡生産 : 2.寒地型牧草・暖地型牧草混生草地の季節生産性について

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タイトル別名
  • The Reduction of the Seasonal Fluctuation on Pasture Yield in the Setouchi Districts : II. The seasonal fluctuation of herbage yield in mixed pasture of temperate and tropical grasses
  • セトウチ チホウ ノ ソウチ ニ オケル キセツテキ ヘイコウ セイサン 2

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説明

模式的に造成したトールフェスク・ダリスグラス混生草地を用いて,混生草地の季節生産性を混生草地内の両牧草の季節生産性から検討した。得られた結果は次のとおりである。1)年間総生産量はトールフェスク,ダリスグラス単播草地の生産よりも高かった。2)混生草地の季節生産性は,両牧草地併用利用と同様,春と秋に生産ピークのある2頭曲線で示された。しかし,混生草地の生産は両牧草地併用利用にくらべて春先の生産が高いこと,および秋の生産が春の生産と同程度であることから,両牧草地併用利用方式よりも生産の季節的平準化がなされていると考えられる。3)なお,両牧草地併用利用における生産ピークは両牧草の生産ピークの重なりによるものであったが,混生草地の生産ピークは春はトールフェスクの生産ピーク,秋の生産ピークはダリスグラスの生産ピークによるものであり,両牧草の生産ピークの重なりはない。4)混生草地内の両牧草の季節生産性は単播草地での季節生産性とは異なるパターンを示した。すなわち,トールフェスクについては3〜6月の生産は単播草地と同程度あったが,7月以降の生産は著しく抑えられており,ダリスグラスについては4〜7月の生産は抑えられていたが,以降の生産は単播草地の生産に近かった。このような混生草地での両牧草の季節生産性が単播草地での季節生産性と異なる原因は両牧草の競争,特に光に対する競争の結果と考えた。

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