夏型飼料作物の初期生育期における呼吸の定量的解析 : II.幼植物の維持呼吸と生長呼吸について
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- 中野 淳一
- 島根大学農学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Quantitative Analysis of Respiration in The Seedling Growth of Summer Forage Crops : II. Maintenance respiration and growth respiration in the seedling growth
- 夏型飼料作物の初期生育期における呼吸の定量的解析-2-幼植物の維持呼吸と生長呼吸について
- ナツガタ シリョウ サクモツ ノ ショキ セイイクキ ニ オケル コキュウ ノ
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抄録
本報告は夏型飼料作物の生長効率にみられた草種間差異を解析する目的で,ソルガム,イネ,グリーンパニカム,ローズグラス,シコクビエおよび対照作物(コムギ,ダイズ,ナタネ)を照明および暗黒条件下で生育させ維持呼吸速度(M)と生長呼吸係数(Gr)および転換効率(K)について測定した。結果を要約すると以下のとおりである。1.幼植物の全呼吸速度と幼植物の相対生長率(RGR)との問には各供試作物ともに有意な直線関係が認められ,これよりHESKETHらの方法に従って,維持呼吸速度(M)および生長呼吸係数(Gr)を算出した。2.維持呼吸速度(M)には温度の影響が著しいだけでなく,草種間差異も認められた。概して種子が小さな草種ほど大きい傾向がみられ,供試草種中ではローズグラスが最も大であった。3.生長呼吸係数(Gr)には温度の影響や草種間差異はほとんど認められなかった。25℃区のGrの平均値は0.224であり,これを転換効率K=1/(1+Gr)に変換すると0.82であった。4.生長効率(GE)とk,M,RGR,には1/GE=1/K+M/RGRなる関係式が成り立つことが明らかとなった。以上の結果から,生長効率(GE)の草種間差異の原因はM/RGR〔MGR〕にあることがわかった。5.Kを0.8と仮定し,前報のGEの結果からMGRを算出すると,MGRにも草種間差異が存在し,供試草種の中ではシコクビエが最も小さい値を示した。
収録刊行物
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- 日本草地学会誌
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日本草地学会誌 30 (3), 229-234, 1984
日本草地学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680730505344
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- NII論文ID
- 110006466565
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- NII書誌ID
- AN00194108
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- ISSN
- 21886555
- 04475933
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- NDL書誌ID
- 3023109
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可