嗜好性に差のあるオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の品種に含まれる揮発性物質の比較

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  • A Comparison of Volatile Chemicals from Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) Varieties with Different Palatabilities
  • Comparison of Volatile Chemicals from o

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抄録

育成牛に対し嗜好性の異なることが報告されているオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の9品種について, 1992年の1番草から5番草までの植物体に含まれる揮発性物質をガスクロマトグラフ(GC)とガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)を用いて分析した。刈り取り時期が同じ9品種間で, GCとGC-MSのクロマトグラム上のピークには, どの刈り取り時期においても一つのピークを除いてほとんど差異が認められなかった。フランスの品種であるLude, Lully, LutetiaとPrairialには, フランスの品種以外では認められなかった特異的な揮発性物質が認められた。この物質は, GC-MSにより得られたマススベクトルよりジテルペンと推定された。9品種の中で常に高い嗜好性を示すことが報告されているLudeに含まれるこの化学物質の量は, Lully, LutetiaとPrairialに比べ高い傾向が認められた。これら4種類の草種の1から5番草において, この化学物質の含量と嗜好性の季節変化との相関係数は, 0.51であった(p<.05)。2番草は, 出穂の程度が嗜好性に大きく影響することが知られているため, 相関係数の計算から除外した。これらの結果は, この特異的な揮発性物質が, Ludeの高嗜好性の原因の一つである可能性を示唆している。しかしながら, この特異的な揮発性物質の存在だけでは, オーチャードグラスの品種の嗜好性の差異を全て説明することは出来なかった。

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