芝草地の生産生態の解明 : 1. シバ(Zoysia japonica STEUD.)のフラクタル次元の測定

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タイトル別名
  • Studies on Productive Ecology of Turf Grasses : 1. Measurement of the fractal dimension of Zoysia japonica STEUD
  • シバソウチ ノ セイサン セイタイ ノ カイメイ 1 シバ Zoysia japo

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抄録

シバの株をポット(直径65cm)の中心部に植え付け,ほふく茎の分枝,伸長にともなって変化する地上部の水平分布の形を格子枠法で測定し,フラクタル次元(D)を求めた。測定には,格子目の1辺長(s)が5mmから100mmまで8段階に異なる格子枠(60cm×60cm)を用いた。格子枠をポット上に置き,枠内40cm×40cmの範囲を測定対象面として植物体が含まれる格子目数(Ns)を数えた。D,sおよびNsの3者の関係は(1)式で示される。Ns=k・s^<-D>(kは定数)……………(1)これら8種類の格子枠を使用して,高い精度でシバのフラクタル次元を求めることができた。また,1辺長が20mmの格子目の枠で測定した場合,DとNsとの間には高い相関関係が認められ,(2)式が得られた。D=0.0021・Ns+1.22……………(2)Nsの値を(2)式に代入すれば,シバのフラクタル次元を推定できる。シバのフラクタル次元は,ほふく茎の伸長にともなって高くなる傾向を示した。また,季節間差も見られた。乾物生産量とフラクタル次元との間には有意な相関関係は認められなかった。刈取処理を行うとフラクタル次元が高い値で一定化する現象が見られた。従来用いられてきた群落に関する種々の測定指標にフラクタル次元の測定値を加えれば,群落の形や構造をより的確に判断できるものと考えられる。

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