低質粗飼料に対するアンモニア処理が乳用牛の採食反芻行動に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Ammonia Treatment of Low Quality Roughage on Eating and Ruminating Behavior of Dairy Cattle
  • テイシツ ソシリョウ ニ タイスル アンモニア ショリ ガ ニュウヨウギュウ

この論文をさがす

説明

低質粗飼料に対するアンモニア処理が,搾乳牛の反芻行動に及ぼす影響を明らかにするため,結実期のオーチャードグラス1番乾草に,現物当り3%のアンモニア処理を行い,3,6,12,24,48時間のin situ乾物消失率の測定と,3期反転試験法による採食反芻時間の測定を24時間連続観察で行い検討した。アンモニア処理により,細胞内容物(OCC)と高消化性繊維分画(Oa)含量の増加がみられ,in situのナイロンバックによる消化試験の結果でも,アンモニア処理区の乾物消失率が無処理区に対して高い値となり,刈遅れた牧草に対するアンモニア処理の栄養改善効果を確認した。採食反芻行動は,採食時間では処理間に差はなく,反芻時間では,アンモニア処理乾草のほうがやや短い傾向がみられ,乾物1kg当りの総咀嚼時間でも同様の傾向がみられた。これは,アンモニア処理による総繊維(OCW)の減少と,肉眼的に確認された粗織物性のき弱化に起因していると考えられた。そこで,SUDWEEKSらの提唱している粗飼料価値指数(RVI)を計算した結果,アンモニア処理草は,無処理乾草に比べて約17分程度少なくなると推定された。アンモニア処理の添加濃度については,貯蔵性向上効果と飼料価値改善の点から検討されてきたが,さらに粗飼料因子の確保も考慮して添加濃度を決める必要があり,低質粗飼料に対しては,現物に対して3%程度の添加は,粗飼料因子からも適当と考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ