カラマツ伐採跡地のリター層がオーチャードグラス(Dactylis glomerata L.)の定着および生長に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Litter Layers on the Establishment and Growth of Orchardgrass (Dactylis glomerata L.) Sown on the Cutover Land of Larch-tree Forest
  • カラマツ バッサイ アトチ ノ リターソウ ガ オーチャードグラス Dacty

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抄録

本報は無施肥で草地を造成する技術を確立するために,カラマツ伐採跡地に1985年8月にオーチャードグラス(Or)を散播し(播種量: 2mg/m^2), Orの出芽,定着及び生長に及ぼすリター層の影響について検討した。試験地のカラマツ伐採跡地には未分解の落葉が1.30kg DM/m^2, 土壌混じりの分解のすんだ落葉が1.43kg DM/m^2あった。これらリター層はOrの出芽に対して抑制的に作用したが,Orの定着後はその理化学的影響によりOr個体の残存性を高めた。その結果,カラマツ伐採跡地ではリター層を残せば,無施肥でもOr優占群落が成立し,播種後10か月目には約30g DM/m^2のOr収量が得られることが明らかとなった。一方,Orの生長に及ぼす落葉の肥料的効果について検討するために,培養条件下で落葉から無機化される窒素量を測定した。その結果,培養8週間で落葉中の全窒素の5.7%に相当する1.87g/m^2の窒素が無機化され,落葉のN供給能は草地造成上無視できないほど大きいと考えられた。

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