オーチャードグラスの生産性に関する研究 : III.栄養系の乾物生産特性

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タイトル別名
  • Studies on Productivity in Orchardgrass : III. Dry matter production of clonal lines
  • オーチャードグラスの生産性に関する研究-3-栄養系の乾物生産特性
  • オーチャードグラス ノ セイサンセイ ニカンスルケンキュウ 3 エイヨウケイ

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抄録

個体植えと草地状態の中間的密度として,45cm×20cmの栽植密度で栽培したオーチャードグラス2品種(キタミドリ,Latar)の栄養系につき,その乾物生産特性を解明しようと試みた。あわせて,葉面積重(SLW)の乾物生産との関係を考察した。1.個体植えにしたキタミドリとLatarの中から,年間収量とSLWを考慮して7個体を選び,1本ずつの分げつに分け栄養系繁殖させたものを材料とした。2.両品種の差は葉長に最も強く現われた。その結果,葉面積にも品種間差がみられた。葉長および葉面積は常にLatarがキタミドリより大きかった。SLWは生育初期にはキタミドリの方が大きかったものの生育後期には品種間差は認められなかった.個体乾物重は,Latarが大きかった。3.1番草収量は葉面積と正の相関関係を示した。SLWとは,生育初期には有意な負の相関を示したが,生育後期には有意な関係を示さなかった.生育初期には,葉が薄く葉面積がすみやかに拡大し,生育後期には葉が厚いという特性が乾物生産上有利であることが示唆された。4.1番草収量は,茎数とは負,平均1茎重とは正の相関関係を示した。しかしながら,出穂茎数とは正の有意な相関を示し,平均1茎重が重く出穂茎が多いほど多収になる傾向がみられた。また,葉長,上位葉と下位葉の関係,着葉位置の間の長さ等の受光態勢に関わる形質は,いずれも収量と強い関係を示した。

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