加熱乾燥したマッシュルーム(Agaricus bisporus SING.)菌柄の飼料化

書誌事項

タイトル別名
  • Utilization of Heat-dried Stipe of Mushroom (Agaricus bisporus SING.) for Animal Feed
  • カネツ カンソウシタ マッシュルーム Agaricus bisporus Si

この論文をさがす

説明

マッシュルーム収穫後,培地に残存した菌柄の家畜飼料化を試みるため,菌柄を乾草処理後粉砕し粉状飼料としての利用性を検討した。採取した菌柄を凍結,80℃および120℃で乾草後,粉砕して供試飼料とした。また,対照区としてマッシュルーム可食部を凍結乾燥したものを設定した。1. 菌柄の成分含量(乾物当り)は租蛋白質25%,租脂肪1%,NDF45%,ミネラル18%で,租蛋白質および租脂肪含量は可食部にくらべて約半分の値であった。一方,K,Ca,Mg,PおよびNa含量はそれぞれ3.3%,0.3%,0.2%,0.8%および0.14%でありP含量以外は可食部にくらべて高く,特にCaは15倍以上の含量であった。2. 菌柄を酸加水分解後,定量した全アミノ酸含量(乾物当り)は可食部の25%にくらべて低く,約15%であった。組成は,Leu,Arg,Glu,TyrおよびAspが多く,これらで全体のアミノ酸の55%を占めた。一方,Cysはほとんど検出されず,Met含量も低かった。3. 菌柄のペプシン-パンクレアチン消化率は約50%と低く,また全Nに占める可溶性Nの割合は約30%であった。4. 菌柄をサイレージ添加剤として使用した場合,材料草の新鮮重量に対して5%量の菌柄乾草物を添加してもサイレージの発酵品質は良好であった。5. 菌柄を120℃で乾燥することは乾燥時間の短縮化および乳牛による嗜好性の点で最も有効な処理方法であった。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ