ソルガム紋枯病抵抗性の品種間差異

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  • Varietal Difference of Resistance to Sheath Blight (Rhizoctonia solani Kuhn) in Sorghum

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抄録

ソルガム紋枯病(Rhizoctonia Solani Kuhn)の抵抗性に関する育種的改良の素材を見い出すため, 品種間差異を圃場接種検定法によって調査した。用いた材料はグレイン型, 兼用型, ソルゴー型で合計72品種・系統である。その中にはグレイン型から子実用に選抜されたインド型品種, 高梁型品種, 雄性不稔系統を含んでいる。圃場試験は1984年と1985年の2年間行われた。高い病原性を示すAG-1菌糸融合群は播種から2カ月後に半覆土法によって接種された。成熟期に葉鞘高(日F)と病斑高(HL)を測定し, 圃場抵抗性の指標として病斑高率(RLH;HL/HF,%)を求めた。年次が異なってもHL,HFおよびRLHの品種間差異は同じ傾向を示し, 年次間の相関係数はいずれも0.1%水準で有意であり, 再現性が認められた。病気の進展を示すHLと被害程度を示すRLHの関係は一次回帰式に良く適合した(p<0.001)。それらの回帰式はタイプにより異なり, グレイン型と雄性不稔系統群, 兼用型F_1, と高梁型品種群, ソルゴー型とインド型品種群の3つに区別された。草丈を示すHFとRLHの回帰式も同様の3グループに区分された。グレイン型品種群は草丈が同じでもRLHに大きな品種間差がみられた。どのタイプも紋枯病抵抗性を持った優れた遺伝資源を含み, それらに共通する抵抗性判定基準としてはRLHが20%以下でかつHLでは20cm以下が有効と考えられた。

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参考文献 (15)*注記

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