牧草の定着に関する研究 : IV.石灰窒素多施与による不耕起追播暖地型牧草の定着向上
書誌事項
- タイトル別名
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- Studies on Establishments of Grasses : IV. Effects of lime nitrogen application on the establishments and yields of several warm-season grasses in a serial non-tilled sowing
- 牧草の定着に関する研究-4-石灰窒素多施与による不耕起追播暖地型牧草の定着向上
- ボクソウ ノ テイチャク ニカンスルケンキュウ 4 セッカイ チッソ タ セヨ
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抄録
イタリアンライグラス(Ir)草地にスイートソルゴー(So),シコクビエ(Am),ローズグラス(Ro),グリーンパニック(Gp)を不耕起追播する場合,石灰窒素多施与により各草種の定着と刈取収量が向上するか否かを検討し,さらに石灰窒素による残存生育抑制効果を上げるための条件や石灰窒素多施与による発芽障害を軽減させるための条件を検討した。(1)石灰窒素と硫安を各々10アール当りN;12,24kg施与した草地にSo,Am,Ro,Gpを不耕起追播した圃場試験と,Ir刈取後,石灰窒素,硫安を各々ポット当りN;0,0.2,0.4,0.6g施与した後,So,Am,Ro,Gpを不耕起追播した土耕ポット試験の結果,各草種共に石灰窒素多施与区の発芽定着率,生育初期のN吸収量および3回刈までの刈取収量は硫安区に比較して著しく高い値を示した。(2)石灰窒素の散布部位を変えた土耕ポット試験と石灰窒素濃度を変えた水耕ポット試験の結果,Irの残存生育量はIr刈取後土壌表面のみに散布した区で最も低い値を示し,また水耕培地に石灰窒素を与えた場合,低N濃度下においても新根は全く認められなかった。また,Ir残存生育量は培地石灰窒素濃度の増加に伴って滅少した。(3)地温と土壌水分を3段階に変え,石灰窒素施与後0,3,7日目にAmを播種した結果,Amの発芽率,根長,草丈は施与後3日目以降で,また高地温(28℃以上),中(18%),高(25%)土壌水分区で高い値を示した。以上の結果から,暖地型牧草の定着と刈取収量は石灰窒素多施与により向上すること。石灰窒素によるIrの残存生育抑制は,地下部に作用させた場合に,より効果的であること。さらに,石灰窒素多施与による発芽障害は28℃以上の高地温で18%以上と土壌水分の高い場合に軽減されることなどが明らかとなった。
収録刊行物
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- 日本草地学会誌
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日本草地学会誌 27 (2), 208-215, 1981
日本草地学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680731689472
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- NII論文ID
- 110006465842
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- NII書誌ID
- AN00194108
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- ISSN
- 21886555
- 04475933
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- NDL書誌ID
- 2321470
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDL
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可