10mm以下の直腸カルチノイドの超音波内視鏡診断と内視鏡的ポリペクトミーにおける2チャンネルスコープの有用性についての検討

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  • Endoscopic Studies of Small Rectal Carcinoid Tumor (Less than 10 mm in Diameter) -Especially, Effectiveness of Endoscopic Ultrasonography and 2 Channels Scope-

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10mm以下の直腸カルチノイド22病変を対象として,超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography,以下EUS)を用いた深達度診断,および内視鏡的ポリペクトミーにおける2チャンネルスコープの有用性について検討した。対象とした直腸カルチノイドの腫瘍径は,5mm以下8病変(36%),6-10mmが14病変(64%)であった。深達度は全例粘膜下層までにとどまり,リンパ節転移や肝転移も認めなかった。EUSによりカルチノイド腫瘍は,内部が低エコーで境界明瞭な腫瘍像として描出され,EUS施行11病変の全例で深達度が正診可能であり,腫瘍近傍のリンパ節腫脹も認めなかった。治療は内視鏡的ポリペクトミーを14病変(64%),局所切除を8病変(36%)に施行した。内視鏡的ポリペクトミー例のうち,8病変は2チャンネルスコープ,6病変は1チャンネルスコープを用いて切除した。切除断端陽性頻度を両機種で比較すると,2チャンネルスコープでは腫瘍径5mm以下が0%,6-10mmは25%(1/4病変)と良好であり,腫瘍組織の遺残も認めなかった。しかし1チャンネルスコープでは,5mm以下および6-10mmともに67%(2/3病変)と不良であり,断端陽性の2病変で腫瘍組織の遺残が確認された。以上の検討より10mm以下の直腸カルチノイドにおいても,EUSの診断成績は良好であった。また内視鏡的ポリペクトミーにおいては,2チャンネルスコープの使用が腫瘍の完全切除に有用と考えられた。

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