地域在住フレイル高齢者に対する介入は転倒リスクを減らせるのか

  • 金 憲経
    東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と介護予防研究チーム
  • 青木 登紀子
    東京都健康長寿医療センター研究所自立促進と介護予防研究チーム

書誌事項

タイトル別名
  • チイキ ザイジュウ フレイル コウレイシャ ニ タイスル カイニュウ ワ テントウ リスク オ ヘラセル ノ カ

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抄録

<p> フレイルは要介護状態になる主な原因であり,フレイル高齢者では転倒も多い。フレイル高齢者の身体機能の改善あるいはフレイルの解消を目的とした介入成果については多く報告され,運動あるいは運動+栄養介入がより有効であると指摘されている。フレイル高齢者の中でも,歩く速度が遅く,足の筋力が弱く,動的バランス能力が劣る者と脳卒中・心臓病・変形性股関節の既往を有する者は転倒のリスクが上昇する。フレイル高齢者に対する介入効果を転倒予防の側面から検証するときには,5つの診断基準の中で筋力と歩行機能の改善に焦点を当てる支援が重要である。フレイル高齢者を対象とした運動と栄養介入による成果をみると歩行機能の有意な改善効果は検証されたが,著者らの研究では,筋力上昇効果は観察されなかった。フレイル高齢者の場合,慢性疾病の既往や痛みを有する者が多いことから,運動や栄養のみのアプローチでは効果に限界がある。今後,運動や栄養支援に疾病や服薬管理,痛み対策を加えた,より包括的なアプローチの実践が望まれる。</p>

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