神奈川県西部における過去20年の救護記録からみるオオタカの生息状況の推移

  • 安井 啓子
    特定非営利活動法人 野生動物救護の会,神奈川県野生動物救護ボランティア
  • 立脇 隆文
    人間環境大学, 特定非営利活動法人 野生動物救護の会

書誌事項

タイトル別名
  • Trends of population, distribution and habitat conditions of Northern Goshawk estimated from 20 years of rescue records from western Kanagawa Prefecture
  • カナガワケン セイブ ニ オケル カコ 20ネン ノ キュウゴ キロク カラ ミル オオタカ ノ セイソク ジョウキョウ ノ スイイ

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抄録

<p>統一的な手法によってオオタカAccipiter gentillis fujiyamaeの個体数、分布、生息環境の広域的な経年変化の知見を得るために、神奈川県西部で20年以上にわたって記録が続けられている神奈川県自然環境保全センターの救護記録を解析した。オオタカの救護個体数は1990年代から2000年頃までは徐々に増加し、その後は安定あるいは微減傾向を示した。オオタカの保護地点は、1990年代には相模川の西部に分布していたが、それ以降は相模川以東に広がり、2008-2012年代には再び相模川の西部に分布が偏る傾向が見られた。また、1993年から2012年の20年の間に、オオタカの保護地点周辺の主な土地被覆は落葉広葉樹林や針葉樹林から市街地等へと変化していた。これらの結果と、救護に影響する保護や通報の努力量の変化の考察から、神奈川県西部のオオタカ個体群は2000年頃までは増加傾向にあり東部のより市街地的な環境に分布を拡大したが、それ以降は安定あるいは微減傾向にあることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • BINOS

    BINOS 23 (0), 19-25, 2016

    日本野鳥の会 神奈川支部

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