常緑性ツツジ野生種とトキワバイカツツジとの種間交雑における受精前および受精後障害

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タイトル別名
  • Pre- and Post-fertilization Barriers in Interspecific Hybridization between Evergreen Azalea Species and <i>Rhododendron uwaense</i> H. Hara & T. Yamanaka
  • Pre- and Post-fertilization Barriers in Interspecific Hybridization between Evergreen Azalea Species and Rhododendron uwaense H. Hara & T. Yamanaka

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抄録

芳香性の常緑性ツツジを作出することを目的とした,常緑性ツツジとトキワバイカツツジとの種間交雑における受精前および受精後障害を明らかにするため,常緑性ツツジ野生種 9 種とトキワバイカツツジとの正逆交雑を行った.本交雑では,一側性不和合性がみられ,常緑性ツツジ野生種を種子親に用いた場合,多くの花粉管が花柱内で伸長を停止し,種子を得ることができなかった.一方,トキワバイカツツジを種子親に用いた逆交雑では交雑組合せによって,花粉管の胚珠への貫入阻害,子葉の葉緑素形成阻害および雑種実生の幼植物の夭折が認められた.これらの受精前および受精後障害は,雑種形成を低下させたが,完全な交雑隔離をもたらすことはなく,その結果,雑種と考えられる実生を多く得ることができた.トキワバイカツツジ #1 × 常緑性ツツジ野生種 5 種の交雑から生育の優れた各 2 個体,計 10 個体の雑種と考えられる実生を選び,RAPD 分析した結果,いずれの個体も両親それぞれに由来する種特異バンドを有していた.これら雑種実生の色素体 DNA は,トキワバイカツツジ #1 × チョウセンヤマツツジの 2 個体を除き,母性遺伝していた.トキワバイカツツジ #1 × チョウセンヤマツツジの雑種実生の色素体 DNA は,父性遺伝していた.

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