‘No.3341’ (<i>Capsicum chinense</i>) が持つ非辛味性の遺伝様式

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  • Inheritance of Non-pungency in ‘No.3341’ (<i>Capsicum chinense</i>)
  • Inheritance of Non-pungency in 'No.3341' (Capsicum chinense)

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抄録

カプサイシノイド合成機構に関する理解を深めることはトウガラシの辛味品種および非辛味品種の育種を進めるにあたり重要である.これまで,非辛味品種の育種には acyltransferasePun1)あるいは putative aminotransferasep-AMT)の劣性変異が利用されてきた.しかし,トウガラシが非常に長い栽培の歴史を持つ作物である点を考えると,これら 2 つの遺伝子以外の変異が利用されていても不思議ではない.本研究ではボリビア原産の‘No.3341’(C. chinense)が有する非辛味性について調査した.‘No.3341’および辛味を呈する‘Habanero’を供試して,Pun1 および p-AMT の果実胎座部における発現および遺伝子配列を調査したところ,‘Habanero’と比較して‘No.3341’に発現や配列に異常は認められなかった.また,‘No.3341’と‘Habanero’の交雑後代 F1 および F2 における非辛味性の遺伝様式を調査したところ,‘No.3341’の非辛味性は単一の劣性変異により支配されていることが明らかになった.さらに,‘No.3341’と Pun1 に機能喪失型変異を有する‘NMCA30036’,p-AMT に機能喪失型変異を有する‘No.2’あるいは‘No.80’との交雑後代 F1 における辛味を調査したところ,すべてが辛味を呈した.以上より,‘No.3341’の非辛味性には Pun1 あるいは p-AMT の変異は関与せず,これまでに報告のない新規遺伝子の変異が関与していることが明らかになった.

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