ツツジ属植物の種間交雑では種子親の核ゲノムが後代の ptDNA の父性遺伝を制御する

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タイトル別名
  • Maternal Nuclear Genome Controls Paternal ptDNA Inheritance in Progeny from Interspecific Crosses of <i>Rhododendron</i> spp.
  • Material Nuclear Genome Controls Paternal ptDNA Inheritance in Progeny from Interspecific Crosses of Rhododendron spp

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抄録

ツツジ属植物における葉緑体 DNA の遺伝性にかかわる要因を明らかにするため,trnL–trnF 遺伝子間領域を PCR-SSCP 法により解析した.オオシマツツジを種子親にしてタイワンヤマツツジを交配したところ,後代における葉緑体 DNA の父性遺伝の頻度は低かったが,オオヤマツツジを種子親にしてタイワンヤマツツジと交配した場合には,父性遺伝の頻度は高かった.オオシマツツジとオオヤマツツジの F1 個体群を種子親にしてタイワンヤマツツジと交配したところ,種子親に用いた F1 個体はすべてオオシマツツジ由来の葉緑体 DNA を持っていたにもかかわらず,後代の父性遺伝の出現頻度は,種子親に用いた F1 個体により,低頻度(2.0 ~11.1%)に出現する交配組み合わせと高頻度(32.6~66.6%)に出現する組合せに分かれ,その比は 1:1 に適合した.以上の結果より,ツツジ属植物における葉緑体ゲノムの遺伝には種子親の核内に存在する 1 つの主働遺伝子が大きく関与することが示唆された.

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参考文献 (18)*注記

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