出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化〔1〕

  • 辻村 卓
    女子栄養大学大学院栄養学研究科生物有機化学研究室
  • 小松原 晴美
    女子栄養大学大学院栄養学研究科生物有機化学研究室
  • 荒井 京子
    女子栄養大学大学院栄養学研究科生物有機化学研究室
  • 福田 知子
    女子栄養大学大学院栄養学研究科生物有機化学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal Changes in the Contents of Vitamins and Minerals in Vegetables and Fruits [1]
  • 出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化(1)
  • デマワリキ ガ ナガイ ショクヨウ ショクブツ ノ ビタミン オヨビ ミネラル

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抄録

本実験の結果、ミネラルは各試料について、特徴的な年間の含有量変動をつかむことはできなかった。分析項目中、含有量の変動が比較的大であったカロチンとV.Cについて含有量変化の通年の変動が大きい試料、小さい試料に分けて示す。(1)栄養成分量が季節で変動する試料 カロチンとV.Cの充実期が重なるもの:キャベツは通年が出回り期であるが、12〜4月を両ビタミンの充実期としている。ミネラルは特に傾向を示していない。トマトは夏期にビタミンが充実していた。しかし、四訂食品成分表作成時とは異なる品種が店頭に出回っている。カロチン、V.Cとも成分表値を下回った。ほうれんそうは11〜3月の出回り期がビタミンの充実期であった。ミネラルでは季節による含有量の変化は認められなかった。カロチンとV.Cの充実期が異なるもの:かぼちゃはカロチンの含有量が2〜6月に充実していた。V.Cは3, 6, 12月に40mg以上となったが、7, 8月は低値であった。さやいんげんはV.Cが5, 6月に最高含有量であった。キウイフルーツはV.Cが1〜5月にやや低値であったが、年間を通じて高含有量(最低36mg)を維持した。カロチン含有量は低値であった。カロチンのみ変動:にんじんは通年が出回り期(10月が少し多い)であるが、カロチンは5〜10月に充実していた。ビタミンCのみ変動:ジャガイモはV.Cが5〜9月に充実していた。ミネラルでは季節による含有量の変化が認められなかった。(2)栄養成分量が季節で変動しない試料 セロリーの通年の測定平均値はカロチン77μg, V.C6mg/100gであるが、毎月の測定値もこれらに近いものであった。ピーマンの出回り期は5, 6月であるが、栄養成分、特にV.Cは通年にわたり高含有量(最低70mg)を維持した。

収録刊行物

  • ビタミン

    ビタミン 71 (2), 67-74, 1997

    公益社団法人 日本ビタミン学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (16)*注記

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