現地開発機能形成の決定要因 : デンソーの6拠点の事例から

  • 金 煕珍
    東京大学ものづくり経営研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Determinants of product development capability in local subsidiaries : Case study of Denso's six local subsidiaries
  • ゲンチ カイハツ キノウ ケイセイ ノ ケッテイ ヨウイン : デンソー ノ 6 キョテン ノ ジレイ カラ

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抄録

多国籍企業が海外展開していく活動の中でも、最も本国に集中する傾向があるとされてきた研究・開発機能の国際化が著しく進んでいる。本稿の主目的は、海外拠点における製品開発機能の形成に影響する要因を議論することである。現地開発機能の形成は、どのような場合促進されるのだろうか。中国のように市場の規模が大きければより速やかに現地開発機能を育成することになるのだろうか。それとも、初期に大規模の設備投資を行い、環境が整ったほうがより現地開発機能が形成されやすいのだろうか。このような疑問に答えるために、本稿ではデンソーのインド、中国、タイ、韓国、米国、イタリア拠点の事例研究を行った。同じ親会社から生まれた6ヶ国の海外拠点が、それぞれ置かれた環境の中でどのように開発機能を形成してきたのかを比較分析する。分析を通じて、海外拠点の開発機能形成に影響を与える諸要因を検討し、既存の理論を補うことが本稿の主な狙いである。事例分析の結果は、以下の2点にまとめられる。第一に、既存研究が提示している現地開発組織の立地要因は、組織が出来上がった後の機能形成まで説明することが出来ない。第二に、6つの事例を比較した結果、新規顧客に対応する現地拠点のほうが高い現地開発機能を形成していく傾向が見られる。

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