電気泳動法を用いた血液型依存性高アルカリ性ホスファターゼ血症の確認

  • 松下 誠
    埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科
  • 下垣 里河
    埼玉医科大学保健医療学部健康医療科学科
  • 村本 良三
    埼玉医科大学保健医療学部健康医療科学科
  • 菰田 二一
    東邦大学医療センター大森病院泌尿器科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of blood group-dependent hyperphosphatasemia in healthy serum by electrophoresis

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抄録

私たちは,近年,トリトンX-100を含むポリアクリルアミドゲル電気泳動法を考案し,血清小腸型ALPには高分子小腸型ALP(HIAP)とノーマル分子サイズ小腸型ALP(NIAP)の2種のアイソフォームが存在することを報告した.HIAP,及びNIAPは両者ともにBまたはO型で分泌型の血液型に依存して出現することから,これらの血液型の人のALP活性は,それ以外の血液型の人のそれに比べ,約20%高値となることも報告した.さらに,健常者で血清小腸型ALP活性が50 U/l以上となるケースを健常者高小腸型ALP血症,また,これに伴ってALP活性が350 U/l以上となるケースを血液型依存性高ALP血症と定義づけし,その出現頻度と血液型との関連性を調べた.その結果,両者はBまたはO型で分泌型の人のみに認められ,これらの血液型の人の中で,健常者高小腸型ALP血症は26.6%,血液型依存性高ALP血症は5.7%の出現頻度であった.このような血液型依存性高ALP血症は,現在利用されているアガロースゲル電気泳動法で容易に確認することが可能である.

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 59 (1), 25-28, 2015

    日本電気泳動学会

参考文献 (5)*注記

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