多言語社会における日本人の言語使用 : スペイン・カタルーニャ自治州在住の日本人のケース

  • 福田 牧子
    バルセロナ自治大学,翻訳通訳学部:CUSCバルセロナ大学

書誌事項

タイトル別名
  • Language Use of Japanese Residents in a Multilingual Society : The Case of Japanese Residents in Catalonia, Spain
  • タゲンゴ シャカイ ニ オケル ニホンジン ノ ゲンゴ シヨウ : スペイン ・ カタルーニャ ジチシュウ ザイジュウ ノ ニホンジン ノ ケース

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抄録

スペイン・カタルーニャ自治州では,近年「新移住者」と呼ばれる移住者の大量流入が様々な問題を提起しており,中でも言語に関する問題が議論の中心となっている.自治州の固有言語および公用語であるカタルーニャ語と,スペインの国家公用語であるカスティーリャ語が競合する社会において,移住者はいかなる言語使用をしているのであろうか.本研究はカタルーニャに在住する日本人を一つの事例とし,その言語使用の実態を探るものである.カタルーニャのような多言語社会において,すべての在住日本人がー様の言語使用パターンを示すのかという問題意識に基づき,本研究は「カタルーニャ在住の日本人は言語使用に関して均質ではなく,複数のサブグループから構成される」という仮説を設定し,言語使用に関するデータの主成分分析を通して検証することを試みた.その結果,主に使用する言語(日本語・カスティーリャ語・カタルーニャ語)に基づいた三つのサブグループが特定された.なお,英語を主に使用するグループが本分析からは確認されなかったことは注目に値する.これらの言語使用の傾向と,インフォーマントのプロフィールを構成する変数に対してさらに分散分析を行った結果,両者の間に相関関係が確認された.

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