ネオ・サイバネティクスの理論に依拠した人工知能の倫理的問題の基礎づけ

書誌事項

タイトル別名
  • Foundations of the ethical issues regarding artificial intelligence relying on the theory of neocybernetics

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説明

<p>本論文では, ネオ・サイバネティクスの理論のなかでも特にオートポイエーシス論に依拠しながら, 第3次ブームの人工知能を定位し倫理的問題の基礎づけを目指した。オートポイエティック・システムは自分で自分を作るシステムであり, 生物の十分かつ必要な条件を満たす。一方, アロポイエティック・マシンは, 外部によって作られるシステムであり, 外部からの指示通りに動くように調整されている。この区分に照らせば, 第3次ブームの人工知能は, 人間が設定した目的に応じたアウトプットが求められるアロポイエティック・マシンであり, 自己制作する生物ではない。それゆえ, 責任を帰属する必要条件を満たさず, それ自体に責任を課すことは難しい。人工知能に関する倫理は, あくまでも人間側の倫理に帰着する。とはいえ人間は, しばしば生物ではない事物を擬人化する。特に生物を模した事物に対しては愛情を感じる。少なからぬ人々が人工知能に度を越した愛情を注ぐようになると社会制度上の対応が要される。そうした場合であっても, 自然人や法人とは違い, 人工知能はあくまでもアロポイエティック・マシンであることには留意しなければならない。</p>

収録刊行物

  • 社会情報学

    社会情報学 5 (2), 53-69, 2016

    一般社団法人 社会情報学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680748461184
  • NII論文ID
    130005312961
  • DOI
    10.14836/ssi.5.2_53
  • ISSN
    24322148
    21872775
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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