擬似会話としてのケータイ小説―告白する「私」のナラティブ・スタイル―

書誌事項

タイトル別名
  • <i>Keetai</i> Novels as Pseudo-conversation: On the Narrative Style of the Confessing Self
  • ギジ カイワ ト シテ ノ ケータイ ショウセツ : コクハク スル 「 ワタクシ 」 ノ ナラティブ ・ スタイル

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説明

<p>本稿は,ケータイ小説に使われる言語表現や語りのスタイルの分析を通して,作者がどのような「私」を表現しているかを探求する試みである.背景として,ケータイ小説とメディアの関係,ポストモダンの日本文化の中での性格付け,さらに,ケータイ小説というジャンルの特徴などを考察する.ケータイ小説現象は,モバイルデバイスを通したメディア依存の自己理解・自己提示を可能にする文芸ジャンルとして,若い女性を中心とする大衆に受け入れられてきた.本稿では,書籍となったケータイ小説の分析・解釈を通して,作者が,自分・登場人物・読者を交えた擬似会話をすることで,キャラクターやキャラとしての自己を表現する様相を探る.そしてケータイ小説は根本的には,誰かに話しかけ,誰かと繋がりたいという願望に動機付けられ,キャラクター的自己認識を可能にする擬似会話行為として捉えることができることを論じる.</p>

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