コミュニティ・ネットワークによる被災地支援活動の展開 : 広域・創発型CNが拓いた新たな災害支援の可能性

書誌事項

タイトル別名
  • About the Expansion of Supporting Activity to the Disaster Stricken Areas Using a Method of Network : The Potential of New Type of Support Activity Developed by Wide Area and Emergence Type of Community Network
  • コミュニティ ・ ネットワーク ニ ヨル ヒサイチ シエン カツドウ ノ テンカイ : コウイキ ・ ソウハツガタ CN ガ ヒライタ アラタ ナ サイガイ シエン ノ カノウセイ

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抄録

大きな災害が繰り返し発生する日本においては,想定外の事態を想定した防災・減災計画が求められる。そして,「新しい公共」の考え方と,高度情報ネットワーク環境は,被災自治体が単独で,あるいは行政組織の連携のみではなく,個人・NPO・企業・行政の壁を越えたボーダーレスなネットワークを通した資源動員と協働により,効果的・効率的な防災・減災行動を行っていく道を拓いた。東日本大震災の後に全国規模で展開された被災地・被災者への支援活動は,そうした新しい時代における可能性を明確にしている。本論では,天野(2005)で示されたコミュニティ・ネットワークの考え方及び分析枠組みに基づき,東日本大震災後に行われた支援活動のうち,広域-創発型の特性を備えた二つの活動例について分析を行い,その特徴についての考察を行う。本論ではこれらの事例が,災害支援NPOが宿命的にはらむ問題を正しく認識したうえで,継続的な活動を行うための現実的な戦略を描き,実行することによって,着実な成果を上げたことが示される。それはコミュニティ・ネットワークが災害多発国日本において行政とボランタリーセクターが協働して新しいタイプの防災システムを再構築する上で,大きな可能性を持っていることを意味している。

収録刊行物

  • 社会情報学

    社会情報学 2 (2), 17-32, 2013

    一般社団法人 社会情報学会

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