「雑霊(ぞうりょう)」論

書誌事項

タイトル別名
  • A Note on Spiritualism in Japanese Mythology
  • 「雑霊」論--「さばへなす」神々の声
  • ゾウリョウ ロン サバ エ ナス カミガミ ノ コエ
  • —「さばへなす」神々の声—

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抄録

<p>日本神話は、始原の時を雑霊(ぞうりょう)の活動する世界として表現した。「さばへなす」は呪力を持つ蝿(はえ)の意味で、始原世界を表す定型句である。蝿は最初の死者イザナミに集(たか)った黄泉国(よみのくに)の蛆(うじ)が変身したものである。「さばへなす」は、愛によって親を苦しめる「子ども」、皇子(みこ)の死に動揺する「舎人(とねり)」にも冠(かん)せられた。また「さば海人(あま)」は異言語を話す異人を言う諺(ことわざ)であった。雑霊の表現の特質が集合・雑音(ざつおん)・無名であることを、本論は明らかにした。</p>

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 60 (5), 10-18, 2011

    日本文学協会

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