月夜の怪異 : 「吉備津の釜」のラスト・シーンの月(<特集>近世における文章語と語り)

書誌事項

タイトル別名
  • The Monsterous Event on the Moonlit Night : the Moon in the Last Scene of "Kibitsu no Kama"(<The Special Issue>Written Language and Oral Narrative in the Early Modern Age)
  • 月夜の怪異--「吉備津の釜」のラスト・シーンの月
  • ツキヨ ノ カイイ キビ ツ ノ カマ ノ ラスト シーン ノ ツキ

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抄録

もののけは変幻自在に出没する。闇夜にも月夜にも跳梁するのである。江戸時代に書かれた怪談のうち、『雨月物語』「吉備津の釜」のラスト・シーンは、月夜の怪異を描いた怪談の中でも出色である。ここには、「にせの夜明け」のモチーフの問題や「語り」の問題、あるいは「文体」の問題が大きく横たわっている。そして、この場面は読者を恐怖におとしいれる度合が大きい分だけ、翻訳は困難をきわめるのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 42 (10), 28-36, 1993

    日本文学協会

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