『豊饒の海』における「転生」 : 妄想の子供たち

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タイトル別名
  • Reincarnation in Hojo-no-Umi : Children of Male Delusion
  • ホウジョウ ノ ウミ ニ オケル テンセイ モウソウ ノ コドモ タチ

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抄録

『豊饒の海』というテクストは、登場人物に一人っ子が多く、かつ子供が生まれないため、血縁によらない生まれ変わりの物語として展開していく。また、転生を見るのは、「父」ならざる人物である本多繁邦ただ一人である。つまり、『豊饒の海』の「転生」とは、本多が、出産による女性の力を介することなく、男性の力のみで、人間を通時的につなげようとして生み出した、いわば「妄想の子供たち」なのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 44 (6), 36-46, 1995

    日本文学協会

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