語り手が語らなかったこと : 『源氏物語』始発部における語りの構造(<特集>語り手の位相)

書誌事項

タイトル別名
  • What the Narrator Did not Tell : The Form of Narrative in the Beginning of Genji Monogatari(<Feature Articles>Aspects of the Narrators)
  • 語り手が語らなかったこと--「源氏物語」始発部における語りの構造
  • カタリテ ガ カタ ラ ナカッタ コト ゲンジ モノガタリ シハツブ ニ オケル

この論文をさがす

抄録

『源氏物語』は、複数の語り手の証言に基づき、さらにそれがいくつもの段階を経た伝承の過程で編集され、まとめ上げられたものという体裁の、多視点的・重層的なテクスト構造をもっている。そのような特異な構造が要請されたのは、皇統譜の乱れに関わる物語の内容と関連してのことであろう。また、多視点的・重層的な構造をとることで、物語内容のもっとも重大な部分を直接的には語らずして暗示的・間接的に照射することが可能になっているという点も確認したい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 37 (1), 10-19, 1988

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ