「泣血哀慟歌」を読む : 人麻呂と坂口弘(<特集>日本文学協会第49回大会報告(文学の部))

書誌事項

タイトル別名
  • Reading Kyuketsuaidoka : Kakinomoto-no-Hitomaro and Hiroshi Sakaguchi(<Special Issue>Collection of Papers from the 49th Japanese Literature Association Convention [Literature Section])
  • 「泣血哀慟歌」を読む--人麻呂と坂口弘〔含 討論〕
  • キュウケツ アイドウカ オ ヨム ヒトマロ ト サカグチ ヒロシ ガン トウロン

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抄録

ヤマトタケルの大御葬歌(葬歌)と人麻呂の「泣血哀慟歌」(挽歌)はともに死者を鎮魂する表現だが、言葉のはたらきはまったく違っている。前者は、死者から離れて行くプロセスに沿ってうたわれ、後者は逆に死者を目の前に引き寄せるようにうたわれる。この変化は、対象を失った悲しみにはその対象から離脱して行くプロセスが内在されているという「悲哀の仕事」(フロイト)が、言葉のはたらきから失われていくことを示すものである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 44 (4), 1-11, 1995

    日本文学協会

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