『竹取物語』にみる皇権と道教 : 不死の薬の歴史から(<特集>古代文学における<虚構>と<他者>)

書誌事項

タイトル別名
  • The Royal Right and Dokyoism Found in Taketori Monogatari : From the History of Elixir of Life(<Feature Articles>Fiction and Antagonists in Ancient Literature)
  • 「竹取物語」にみる皇権と道教--不死の薬の歴史から
  • タケトリ モノガタリ ニ ミル コウケン ト ドウキョウ フシ ノ クスリ ノ

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抄録

かぐや姫がのこした形見の不死の薬を焼く煙には、人間の苦悩だけでなく、帝が体現する共同体の意思も喩的にこめられている。天界にむけての地上の権威を律令皇権にまとめあげ、ふたつの世界をつなぐよすがを喪失するという結末。それは神仙思想の風潮のもと不老不死の幻想になじんでいった、時代の動向とは異質であった。物語はみずからを、歴史をはじめとするさまざまな他者と区別しつつ、固有の虚構性をきずきあげようとしたのである。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 37 (4), 20-33, 1988

    日本文学協会

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