中世王権と中世日本紀 : 即位法と三種神器説をめぐりて(<特集>中世の<歴史>記述)

書誌事項

タイトル別名
  • The Medieval Sovereignty and Chusei Nihon-ki : The Rule of Enthronement and the Story of the Three Sacred Treasures(<Feature Articles>Historical Description in the Middle Ages)
  • 中世王権と中世日本紀--即位法と三種神器説をめぐりて
  • チュウセイ オウケン ト チュウセイ ニホンギ ソクイホウ ト サンシュ ジン

この論文をさがす

説明

古代王権がその根拠を示すために編んだ『日本書紀』は、中世に至り、王権を支える諸道芸能の一流なる「日本記の家」に伝承された。所謂中世日本紀である。その学問は訓古註釈に止らず、物語的言説として再創造され、その典型たる三種神器説(宝剣説話)は『平家物語』「劔巻」と関連し、また、その生成過程は、慈円の夢想記が示すように、天皇即位に関する旧仏教界の即位法伝承の形成とも不可分の関係にあって、中世王権を神話的に支える機能を果していた。『太平記』中の即位法と三種神器(宝剣)の二説話が南北両朝を批判する物語上の文脈は、そうした消息を伝えるものであろう。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 34 (5), 31-48, 1985

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ