秋成と天皇(日本文学における<他者>と<天皇制>・文学の部,<特集>日本文学協会第45回大会報告(文学の部・総会))

書誌事項

タイトル別名
  • Akinari and The Tenno(<Alter ego> and <The Tenno (Emperor) system> in Japanese Literature (Division of Japanese Literature),<Special Edition>The 45th Anniversary Report of Japanese Literature Association (Division of Japanese Literature and General Meeting)
  • 秋成と天皇〔含 討論〕
  • アキナリ ト テンノウ ガン トウロン

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抄録

政治から疎外された幕藩体制下の天皇は、国家が幻想される際にのみ人々の意識に上る、象徴・文化天皇である。国学者のその天皇に対するイメージを、秋成と宣長を比較しつつ論じた。現実の天皇の無力化・象徴化を逆に挺にして、神話形而上学と絶対的ナショナリズムの構想に向かう宣長に対し、秋成は神話と歴史の連続性を否定し、自らの国学を遊びと規定することによって、歴史の上の天皇を肉体化し、相対主義的なナショナリズムの立場を守っている。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 40 (3), 24-32, 1991

    日本文学協会

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