双数と法の宇治十帖(<特集><分身>の構造-古代)

書誌事項

タイトル別名
  • The Dual Number and Law Found in Uji Jujo(<Feature Articles>The Structure of <Alter Ego>-The Ancient Period-)
  • 双数と法の宇治十帖
  • ソウスウ ト ホウ ノ ウジ ジュウジョウ

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抄録

分身と法とは相互に対立関与的な問題系をおそらく構成している。原理的にはラカン「父親の隠喩」と「鏡像段階」を柱とした。その学説と古代の分身資料や文学一般の分身資料とを相互比定するなかで問題の理解をふかめ、宇治十帖の「双数と法」の問題に絞りこんでみた。「欠如」の薫が「大文字の他者」を求める同化過程とその挫折に、分身現象がかかわっている。「こなるものにたどりつけず、母なるものに退行する過程を物語る物語として宇治十帖をながめた。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 38 (5), 41-52, 1989

    日本文学協会

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