仏舎利相承説と〈家〉 : 十三世紀の歴史叙述(<特集>中世文学と〈家〉)

書誌事項

タイトル別名
  • The Tradition of Buddha's Ashes and the Noble Families : A Historical Description of the Heirloom in a Diary of the Thirteenth Century(<Special Issue>"Family" in the Literature of the Middle Ages)
  • 仏舎利相承説と〈家〉--十三世紀の歴史叙述
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抄録

『玉葉』建久三年四月八日条に記された鳥羽宝蔵宝珠の相承系譜は先学の指摘するように、その後も三宝院流という宗教空間内の秘事口説として存在し続けた。しかし、一方で、鳥羽宝蔵の宝珠という本来の意味を離れ、十三世紀の舎利相承系譜に借用されてゆく。これらの相承説の変容・展開の位相を検討することにより、九条家・大乗院や承久の乱以後の天皇家など、様々なかたちの〈家〉の存続・財産保全・追善供養を保証するという現実的な意味をになった歴史叙述として仮構される様相について考察する。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 52 (7), 34-43, 2003

    日本文学協会

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