<南>への道 : 『異族』(中上健次)の場合(<特集><異文化>と<日本文学>)

書誌事項

タイトル別名
  • The Passage to the "South" : Reading Kenji Nakagami's Izoku(<Special Issue>Other Cultures and Japanese Literature)
  • 〈南〉への道--『異族』(中上健次)の場合
  • ミナミ エ ノ ミチ イゾク ナカガミケンジ ノ バアイ

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抄録

国家による国境の拡大・縮小の大きな物語の反照として、<南>では国境を越える移動・交わりの小さな無数の物語が多数紡ぎ出された。その世界に散らばる物語を「日本」「天皇」の物語が陰に陽に囚えつづけている。それに対し「新たな共同性」(富山一郎)はじめさまざまな<南>への物語が、今・こことの生臭い拮抗関係のもとに語られている。これらの政治との関わりの下、<南>への物語の一つとして、中上健次の未完の小説『異族』を読んでいきたい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 48 (1), 54-63, 1999

    日本文学協会

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