亡妻挽歌史論

書誌事項

タイトル別名
  • Dirges Dedicated to Dead Women
  • ボウ サイ バンカ シロン

この論文をさがす

抄録

挽歌の詠作者と死者の性別の相関に着目すると、女が男の死を歌う挽歌が万葉前期に偏在し、現実の死の機会に即して歌われるのに対して、男が女の死を歌う挽歌は、文芸的趣向性を高めながら後期にかけて広まるという対照的な様相を示す。また「女の死」は専ら男によって歌われる。そこで個々の歌の歴史性に目を向けると、「女の死」が男を主体とする立場から題材化され、詠作、享受、伝承されていく過程を確かめていくことができ、亡妻挽歌史を、こうした歌の動態の中に見定めることができる。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 54 (12), 1-9, 2005

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ