記夷城での望遊唱和歌考 : 旅人の亡妻とホトトギスをめぐって

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タイトル別名
  • Singing Tastefully and in Mourning at the Castle of Kii
  • キノキ デノ ボウユウ ショウワカ コウ タビト ノ ボウサイ ト ホトトギス オ メグッテ

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抄録

『万葉集』巻八の石上堅魚と大伴旅人による唱和の歌(一四七二・一四七三)は、旅人の妻の死に伴う詠作であるとの左注が付されるが、「夏雑歌」収載であることが示すように純粋な季節歌とも挽歌的な歌とも解釈できる。本稿では歌表現を検討し、二首は表現の裏に挽歌的な要素が詠み込まれた季節の雑歌であると結論づけた。また、旅人歌は蜀魂伝説を背景に持つホトトギスを初めて故人を哀慕する目的で詠み込んだ、新しい型の死者追慕の歌であると考察した。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 57 (6), 1-10, 2008

    日本文学協会

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