欧米における日本近世文学の研究 : 現状と展望(<特集>日本文学協会第56回大会報告(第二日目))

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Edo Literature in the West : What They Are and Will Be(<Special Issue>The 56th JLA Convention (2nd Day))
  • 欧米における日本近世文学の研究--現状と展望〔含 質疑応答〕
  • オウベイ ニ オケル ニホン キンセイ ブンガク ノ ケンキュウ ゲンジョウ ト テンボウ ガン シツギ オウトウ

この論文をさがす

抄録

欧米における日本文学の研究は、明治時代にはじまり、戦前のアーサー・ウェーリーによる『源氏物語』の英訳を経て、戦後はドナルド・キーンやエドワード・サイデンステッカーによって、本格的な学問として花開いた。現在では、彼らの教え子たちを中心にして、日本文学のあらゆる分野での研究が活発に行われている。しかしながら、日本の状況同様に、欧米においても、平安時代や近代文化と比べれば、近世文学の研究はまだ遅れがちである。理由は様々あるが、まず出発点となるべき本国日本における研究自体が少ないこと、文献の充分な翻刻・テキストが不足していること、そして戯作・歌舞伎などの近世文学がその大衆性から研究に値しないと思われてきたこと等が主な理由としてあげられよう。本発表では、今までの欧米における近世文学の研究史を簡単に紹介し、その翻訳や注釈に当たっての特有の問題点について考えたい。その上で、これからの欧米における近世文学の研究がどのような動向をみせるかについても、検討したい。

収録刊行物

  • 日本文学

    日本文学 51 (4), 25-40, 2002

    日本文学協会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ